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アイコン2001年度しし座流星群観望会アイコン

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2001年11月17日〜19日、冬の足音が迫る晩秋にしし座流星群観望会が行われた。


今年のしし座流星群は、アッシャー博士という人が

「19日に日本で大出現するずらよ」

と独自の予報に基づいて発表したため、天文雑誌はこぞってしし座流星群に気合を入れていた。もちろん、我々も例年よりも気合いを入れて望むことにした。


しかし、我々もアッシャー博士の説を全面的に信頼していたわけではない。

流星の見ごろは18日と主張する国立天文台などの情報にも耳を傾けて、流星群観望会は11月の18日と19日の両日に渡って計画した。18日は国立天文台などが予想している極大日であり、未明にそう多くはない数の流星が出現するという。19日は気鋭の学者アッシャー博士が予想している極大日で、未明に大量の流星が出現するという。
このどちらがあたっても良いように我々は両日観望することにしたのだ。


もっとも、19日は月曜日で、すなわち授業があるのだが、夜明けと共に撤収して1限の授業に間に合わせると言う少々キツイスケジュールなのだが・・・さらに、なるべく多くのサークル員が流星を観望できるように観望場所をいくつかに分散することにした。


つまり一ケ所に人間を集めて観望する場合、曇ってしまったりすると観望会に参加した全員が流星を見られなくなってしまうわけだが、観望場所を分散した場合ではどこかが曇っていても、その他の晴れた場所では流星が見えるのであり、なるべく多くのサークル員に流星を見てもらいたいという苦肉の策なのだ。
しかも、観望場所が複数あると各サークル員の居住場所や懐事情にあった場所を選べることができて大変便利なのだ。今回の観望会では

★野辺山宇宙電波観測所(という名前だったような気がする)〜長野県〜
★北軽井沢(浅間山麓)〜群馬県〜
★龍ヶ崎市〜茨城県〜

の三ケ所で観望会を開いた(図1)。

各観測地
図1:各観測地

北軽井沢と野辺山は主に写真撮影をメインとした本格強行遠征組が、龍ヶ崎は主にお眼視をメインとしたお手軽観望組が行った。私は北軽井沢に行ったので、このレポートは北軽井沢でのものがメインとなることをあらかじめ断っておく。


17日、この日野辺山組と北軽井沢組がそれぞれ出発した。
我々北軽井沢組はカメラなどの機材を持って上野駅から高崎線に飛び乗った。目指すは北軽井沢、ということなのでこれまでの慣習から言えば当然長野原草津口で降りるのだが、今回はできるだけ旅費を浮かすということで、籠原駅で下車。


関東地方にありがちな典型的な衛星都市の風景が広がる駅前、そこに1台のカリーナEDが停まっていた。今回快く自家用車を提供してくれた茂木さんの車である。「りゅうこつ座」という何ともイカした名前だが、これから約2日の間この車の厄介になる。
貴重な土日を潰して自家用車を運転してくださった茂木さんには、この場を借りて惜しみない感謝を申し上げます。

大変ありがとうございました。


さて、機材を車に積んで3人を乗せた車は一路関越自動車道花園ICより、上信越道を経由して北軽井沢を目指した。途中横川SAでは名物の釜飯食べることなく休憩し、碓井軽井沢ICで高速を下りた。軽井沢は土曜日ということもあって渋滞が発生しており、大変混雑していた。
もう二度と車で来たくないと思わせるには十分である。
ていうか、昨年の教訓をまったく生かしていないルート選定では、悲惨な世界になることは火を見るよりも明らかだよと思った。


そんなこんなで日が暮れた後に北軽井沢に到着した我々は、ログハウス風の微妙な外見をした食堂だか飲み屋だか分からないような外見の飲食店に入り、夕食をとった。
何を頼んだかは覚えていないが、店内にはキープされたボトルがズラリと並んでおり、明らかに特定の地元住民が利用し、それで経営が成り立っているという田舎にありがちな極めて閉鎖的な雰囲気を持った空間であることは今でも覚えている。

我々が食事をしている最中にも、地元の顔なじみと見られる男数名か訪れ、店主と談笑していたため、どうも都会から来た一見の我々にはいずらい感じがする。そのため、早々と会計を済ませて異邦人は店を去ることにした。


店を出た後、隣のコンビニで夜食やカイロなどを調達し、一路観測地へと向かった。
場所は昨年の秋合宿で使用したキャベツ集荷場である。当然11月は高原キャベツの収穫は終わっており、あたり一面何も作物が植わっていない荒野が広がっている。そのため、1晩中いても誰にも邪魔はされないというステキな場所である。この場所を2日間のキャンプ地として、流星を見るのである。


この日、流星は国立天文台の予報どおりぽつぽつと流れるだけであり、撮影した写真もあまりパッとしたものではなかった。一方、そこから60km離れた野辺山では別行動のチームが悲惨ドン雲りの空に悔し涙を流しており、状況確認のためかけた携帯電話越しにその悔しさが伝わってきた。山の天気は場所によってこんなにも違うのである。アーメン。


一方、大変美しく晴れ渡った北軽井沢であるが、肝心の流星のほうは空振りという感じで、確かに流れることは流れるのだが、大出現とは程遠いものであった。今回は完全に写真を目的としてきたもので、双眼鏡ひとつ持ってきておらず、大変美しい空の下で一同は眠りについたのである。




翌、18日朝。
一同は10時頃に目を覚まし、一路草津へと向かった。
北軽井沢から草津までは車で40分程度の距離で、北軽井沢に星を見に来たなら必ず行くべき温泉スポットだが、日中は特に何もやることが無いので、ひとつ温泉で時間を潰そうという寸法なのである。無論、あらかじめ計画をしていたわけではなく、道路地図を見ながら行き当たりばったりで突然計画した。


私を含め、一同は草津を訪れるのは初めてであったため、とりあえず草津の入り口にある道の駅へ入り、どのような日帰り入浴施設があるかを確認した。その綿密な情報収集の結果、一ヶ月前に開店したばかりの温泉施設があるという情報を手にした。無論、その温泉施設「ベルツ温泉センター」へ行くことに決定した。


ベルツ温泉センターは町営の日帰り温泉施設で、非常に大きな建物である。肝心の湯船は多くの温泉で用いられているような、お湯を濾過して繰り返し使う「循環式」ではなく、お湯を使い捨てにするかけ流しという贅沢なものである。これは日本屈指の温泉湧出量を誇る草津でなければできない芸当である。また、床暖房やリラックスルームなども完備しているという、素晴らしい施設である。お値段は900円と少々高めの設定なのが玉に傷。

この温泉施設でゆったりと入浴した後、コンビニなどで時間を潰し、いよいよ夜となった。


22時頃から次第に流星が流れ始めたが、勢いは昨夜と大して変わらなかった。
ところが、23時から0時ごろにかけて次第に出現数が増加し、明らかに通常の流星群では見られない様相を呈してきた。私は5分おきにカメラのシャッターを切って撮影していたが、後日現像したコマを見ると、どのコマにも流星が5個以上写っているという素晴らしい状態であった(写真1)。

流星
写真1:流星

流星の数はどんどん増加し、2時から3時頃が一番多く流星が降り注いだ。1秒間に大体5、6個同時に流れるというありさまで、その様子はまさに「流星雨」と形容するにふさわしいものであった。
この文を読んでうまく想像できない方は、小雨が降っている状況を想像して欲しい。その雨粒の一つ一つが流星、すなわち光の帯として見えるのだ。これほど派手な天体現象は他に類を見ないだろう。試しに流星の数を数えてみたが、527個でキリがないのでやめてしまった。


全天で降り注ぐ流星の凄さ、もう一方で見ている龍ヶ崎組はどうなのだろうかと電話して聞いてみることにした。どうやら龍ヶ崎でも素晴らしい流星が見えているようで、代わる代わる電話口に出た会員の誰もが興奮の色を隠せないという様子が声を介して伝わってくる。
どうやら150km離れた向こうでも無事に流星が見れているようである。この頃になると、眠気も手伝って少し仮眠を取ることとして、流星観測はオシマイとした。


4時になった。そろそろ出発しないと始発電車に間に合わないため、急いで撤収し、一路碓井軽井沢ICを目指した。そのとき見た光景は、ICへ通じる道の路肩にズラリと停まっている車、車、車
・・・しかもトラックなどではなく、圧倒的に乗用車が多い。


月曜日の早朝というどう見ても交通量が一番少ないであろう時間帯に関わらず、路肩にこのように多くの車が停車しているのは、ある意味異質な光景であった。どれも流星群を見に来ていたようで、アベックの姿を良く見かけた。これを見て初めてこの流星群が一般にも広く知れ渡った現象なのだという実感を持った。


また、帰りの横川SAで朝食代わりの牛丼を食べているときも、早朝のTVでこの流星群のニュースを流していたため、本当に稀有な現象であったと改めて実感し、こんな素晴らしい天体現象に若いうちに出会えたことに、実にラッキーだとも思った。


もちろん、その後始発電車に乗って無事に1限の授業に出たが、もちろん爆睡。授業の内容なんて覚えちゃいない。まあ、なにはともあれ今回のしし座流星群観望会は大成功に終わった。このとき撮影した写真はすぐさま現像して、4日後の学園祭に展示されたので見た方も多いだろう。


文責:百武


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