望遠鏡を買うとほとんど必ずと言っていい程付属しているのがファインダーです。 ファィンダーは望遠鏡と比べてとても視野が広く、望遠鏡で観測したい天体を視野の中に導き入れるためには必須の道具です。これがないと、天体観測はできません。 現在では様々な種類のファインダーが売られていますが、昔からあるタイプで今でも一番ポピュラーなのが「光学ファインダー」と呼ばれているものです。
光学ファインダーとは小型の屈性望遠鏡に十字線を張ったもので、よく望遠鏡の上あたりに載っている小型の望遠鏡のことです。光学ファインダーは天体観測に必須のもので、これがないとまともに天体観測はできないでしょう。 たいていの光学ファインダーは口径3cm〜5cm程度で、実視界9°〜7°のもので、双眼鏡と性能が非常に似通っています。このファインダーを覗くと、十字線が張ってあり、この十字線の中央に目標の天体を入れるように望遠鏡の方向を微調整すれば、望遠鏡の視野の中に天体が入るというものです。高級なタイプの光学ファインダーの場合では、この十字線がLEDで赤く照らされて、暗い空でも見やすくなるような工夫がされているものもあります。 また、最近多く使われだしているのが「サイトファインダー」と呼ばれているものです。これはどういうものかというと、素通しのガラスにLEDで照準を投影するものです。 さまざまな形式があるのですが、どれも単なるガラスの板に照準を投影するため、光学ファインダーのように上下逆さまではありませんし、視野の外にも星空が続いているので、実に導入が楽です。 サイトファインダーがあるだけで、天体の導入作業は飛躍的に楽になります。
使い方は実に簡単で、本体の電源スイッチを入れて照準を投影し、ちょうど携行型地対空ミサイルの照準を合わせるように、ファインダーを覗きながら望遠鏡を動かして、照準を目標の天体があるであろう場所に合わせます。たいていの場合、目的の天体はファインダーで見えていはいませんが、光学ファインダーや望遠鏡本体で見るとしっかり見えるのです。 そして、最近登場した全く新しいタイプのファインダーがレーザー光を使うファインダーで、「レーザーファインダー」と呼ばれています。
これは望遠鏡の上に付けたレーザーポインターで、スイッチを押すとレーザーが大気中の微細な塵に反射して,望遠鏡から空に延びる一本の緑色の線を描き出します。この線で目標となる天体の部分を指示すると、望遠鏡の視野にぴたりと天体が入るという大変便利なファインダーです。 しかしながら強いレーザー光を使用するため、周りに他の観測者がいる場合には迷惑となるので使えませんし、価格も高いものですので普及はなかなかしないでしょう。ちなみに,安価に供給されている赤色の光を出すレーザーポインターでは、これを代用することはできません。というのも,市販されているレーザーポインターでは波長が違ううえに、出力が小さすぎるからです。レーザーファインダーは,市販されているレーザーポインターの約5倍から10倍の出力を持っています。 さて、ファインダーはどのタイプでも共通して調整作業を行う必要があります。 ファインダーの照準の中央部に対象を導入したときに、接眼部の視野中央にちゃんと対象物が入るようにするためには必ずしなければならないもので、やり方は比較的簡単です。 まず、望遠鏡になるべく低倍率になるアイピースを装着し、2km以上離れた対象を導入します。鉄塔の先端等が適当でしょう。そして、ファインダーを覗いて、照準の中央部にその対象が来るように、ファインダーを支えているネジを駆使して調整します。そして、次にアイピースを交換して高倍率を出し、同じ作業をして精度を出します。調整は3本ないし6本のネジで行ないます。 この調整をきちんとやらないと、ファインダーの能力を100%引き出せないので、面倒くさがらずにしっかりやりましょう。
天頂プリズム&ミラーは屈折望遠鏡やカセグレン系の望遠鏡で天体観測を行なう際に必須となるアイテムです。 これらの望遠鏡では、接眼部がそのまま対象方向を向いているので,天頂付近を見る時に非常に苦しい姿勢を強いられます。短時間の観測ならともかく,長時間の観測では困難を強いられることになるでしょう そのような場合に用いるのが天頂プリズム&ミラーというもので、接眼部からの光路を90°折り曲げて楽な姿勢で観測ができるようになります。
天頂プリズム&ミラーは主にアメリカンサイズ(31.7mm径)用と、2インチ(50.8mm径)用があり、アメリカンサイズ用は大抵の製品がプリズムを使用しています。 いっぽう2インチ用は高価な大型プリズムを搭載したものは少なく、主にコストが安く上がるミラーが採用されています。価格的にはアメリカンサイズのプリズムが5,000円程度,2インチのミラーは少し高くて1万5千円程度しますが,高精度のものとなると3万円程の製品もあるようです。 バローレンズとは、簡単に言えば倍率を大きくするレンズのことです。 このレンズを使用すると、接眼部にそのままアイピースを挿した状態よりも倍率を上げることができるという魔法のような道具です。このバローレンズを使用することで、少ないアイピースで多彩な倍率を得ることができるので、古来より重宝されていました。
しかし、バローレンズは昔から「使うと像が悪くなる」といわれ、ベテランの観測者からは忌避されてきました。しかし、500円程度で売られているものはともかく、今どきのバローレンズはきちんとした設計で、できるだけ像の劣化を防ぐようにされていますので、昔程神経質になる必要はありません。また、バローレンズは倍率を上げるだけではなく、像質を改善する効果もあります。 バローレンズの使い方は、アイピースと接眼部の間に装着するだけですが、必ずアイピースの直前に配置するようにこころがけなければなりません。アイピースとバローレンズの間にアダプターや天頂プリズム等のアクセサリを取り付けて使用すると、拡大率が変化してしまうからです。原則的に、バローレンズはアイピースに直接装着するものです。 さて、バローレンズにはアイピースとの相性があります。相性が悪いアイピースとの組み合わせだと像質が劣化してしまうことが怏々にして起こります。相性が悪いアイピースと言っても、これは簡単に見当がつきます。 それはいわゆる「ハイアイポイント」をうたっているアイピースです。例えばVixenのLVシリーズやPENTAXのXWシリーズなどがそうです。基本的にアイピースのアイレリーフはそのアイピースの焦点距離より長くなることはあり得ません。 ハイアイポイントをうたっているアイピースは、あらかじめバローレンズをアイピースの中に組み込んでいるため、焦点距離5mmでも20mmのアイレリーフを確保できたりするのです。この類のアイピースにバローレンズを使用すると、バローレンズを二重に重ねることになってしまうため、像質がどうしても劣化してしまうのです。
レデューサーというのは比較的最近になって普及してきたアクセサリで、主に直焦点で星野撮影をする際に望遠鏡のF値を明るくする目的で用いられます。
レデューサーはバローレンズと違い、各メーカーによって使用可能な望遠鏡や使用法が厳密に決められています。もとよリレデューサーは写真用に作られたものであり、本来は眼視目的に用いるべきものではありません。というのも、レデューサーを用いると確かに焦点距離は短くなるのですが、そのぶんシャープさは損なわれるからです。それを逆手に取って,像面のシャープさをあまり求めない低倍率専用として眼視で用いるのもアリです。特に焦点距離の長いカセグレン系の望遠鏡では意義はあるかもしれません。 原則的にレデューサーはバローレンズと違って像質が劣化するため、積極的に用いない方が良いでしょう。
接眼部に取り付けるアクセサリは、取り付ける部分の大きさがモノによってバラバラです。 従って、自分の望遠鏡の接眼部の大きさに合致しないアクセサリを取り付けたい場合、アダプターを使用して取り付ける必要があります。望遠鏡の接眼部の大きさは、小さい順から24.5mm、31.7mm、36mm、42mm、43mm、50.8mm、60mmとありますが、このすべてのサイズに変換のアダプターが用意されているのでとりあえず「付くか付かないか」ということはあまり問題にならず,心配する必要はありません。逆に言えば、アダプター類を駆使すれば、殆ど全てのアイピース・アクセサリ類を、殆ど全ての望遠鏡に「物理的に装着する」ことができるわけです。 接眼部のアダプターを使用するために気を付けておかなければならないのは、 「それでピントが出るのか」 とうことと、 「視野が確保できるのか」 という2つの点です。 まずはピントの問題ですが、カセグレン式望遠鏡の場合はピントの合う範囲が非常に広いので、特に気にかける必要はありませんが、屈折望遠鏡やニュートン反射では注意する必要があります。これらの望遠鏡ではアダプターを付け過ぎたり、天頂プリズム等を併用すると、ピントが出なくなってしまうことがよくあります。 これを避けるためには、装着部のアダプターの数を減らし、かつアダプターの高さが低いものを選ぶことです。 次に視野確保の問題ですが、これは主に「24.5mm→31.7mm」のように「小→大」の変換を行なった時に大きな問題となります。このような変換を行うと、アイピースを覗き込んだときの視野の広さが制限されてしまう現象が起こり、せっかくの広視界アイピースも役不足となってしまいます。 また、接眼部に付けるアダプターですが、発想を逆転してこれらを常にアイピース等に付けておくという使い方もあります。例えば手持ちのアメリカンサイズ(31.7mm径)のアイピース郡の中に二、三個ツアイスサイズ(24.5mm)のアイピースが混じっているような場合、いちいち接眼部にφ31.7→φ24.5アダプターを装着するのは実に煩雑な作業になります。 そのような場合、手持ちのツアイスサイズのアイピースの数だけφ31.7→φ24.5アダプターを購入し、常にアイピースに装着しておけばそのままアメリカンサイズの差し込み口に挿入するだけで良いので、大変手軽です。
フィルターというと、写真用のフィルターを連想する人も多いでしょう。天体観測では昔から太陽観測や惑星面の観測にフィルターが使われて来ました。最近では散光星雲や惑星状星雲の観測で「ネビュラフィルター」というフィルターが必要不可欠なアイテムとなっています。
●NDフィルター NDフィルターは通称「減光フィルター」とも言われ、対象からの光を減じる働きをします。 無論、これは一般の天体に用いる事はなく、太陽や月など非常に明るい天体を観察する時に用います。特に大口径の望遠鏡で月を見るときなどは特に重宝するアイテムです。 太陽を見る場合はNDフィルータを使う方法よりも、後述する太陽投影板を用いる方が安全です。NDフィルターは減光率によってさまざまな種類がありますが、月を見るならばND4程度をひとつ持っておくと良いでしょう。太陽の場合は、ND400とND8を二枚重ねて使用しますが、有害な赤外線はそのまま透過してしまうので、長い間の観測は避けて下さい。 ●カラーフィルター カラーフィルターというのは、赤・青・緑など色とりどりのフィルターのことで、惑星観測用フィルターとして海外では意外と古くから用いられており、大抵は惑星面の個々の模様によって複数のフィルターを使い分け、スケッチを完成させてゆくために使われます。 しかし当然のことながら、例えば青いフィルターで惑星を見ると真っ青に着色しますし、赤フィルターなら惑星面は真っ赤になります。こういったフィルターはあくまでも「特定の模様を際立たせる」ために使われる、いわば「観測用」のフィルターであって,惑星をより綺麗に見たいという「観望用」「鑑賞用」の目的には不向きです。 ●ネビュラフィルター ネビュラフィルターは一昔前まで「光害カットフィルター」として売られていたものですが、この「光害カットフィルター」は光害地での写真撮影を目的としたもので、大した効果がなく、ただ視野が暗くなるだけのシロモノだったようです。現在、ネビュラフィルターと言われているものは、光害カットフィルターとは違い、その効果がはっきりと実感できるものとなっており、主に星雲星団観測に用いられます。 ネビュラフィルターは主に3種類あり、その透過波長領域の広い順から 「ブロードバンド」「ナローバンド」「ラインバンド」 と呼ばれています。
ネビュラフィルターを使って見える対象は透過波長域が狭まる程少なくなってゆきますが、そのぶん効果は向上します。なお、ネビュラフイルターはあくまで「ガス星雲」をよりよく見るためのフィルターであって、それ以外の対象、例えば星団や系外銀河や徽光星や月・惑星の観測には効果がありません。 また、ガス星雲の中でも「青い散光星雲(例:M45のメローベ星雲やM78など)」には余り効果が無いことも覚えておくべきでしょう。これらは全てネビュラフイルターの守備範囲外であり、効果はありません。 ネビュラフィルターを使用する時の注意点として、バンドバス幅が狭くなるほど大きな射出瞳径を確保することが挙げられます。具体的に言うと、ブロードバンドでは1mm程度の射出瞳径でもなお十分な効果が得られますが、ナローバンドでは最低でも2mm以上、ラインバンドでは最低4mm以上の射出瞳径を確保しないと十分な効果が期待できません。要するに透過波長が狭いものほど低倍率にする必要が出てくるわけで、これは特に低倍率が特にくい(F値の大きな)望遠鏡を使う場合は注意が必要な点です。
モータードライブ装置は、赤道儀を地球の自転と同じ速度で自動的に動かす装置です。 これを用いると、わざわざ微動ハンドルを動かさなくても自動的に星を追尾してくれるので、惑星観測などでは大変重宝します。また、大勢の人に望遠鏡を見せる観望会等では、このモータードライブを常に稼動させておけば、視野から惑星など次第に外れて、お客を困らせてしまうという問題を解決することができます。 モータードライブは、最近では標準装備となっている赤道儀が多く、また、そのモーターを使用して自動導入を行っている赤道儀もあります。 惑星観測をする人は是非とも買っておきたいものですが、星雲星団観測がメインで特別不便を感じていないのならば、モータードライブは買う必要は特にありません。 写真を撮ってみたいという人は、買っておくべきでしょう。
太陽を観測する際に用いる、最も安価で安全な道具が太陽投影板です。 太陽を観測する際は、鏡筒の先端に減光フィルターを装着するか、サングラスを用いるなどして直接望遠鏡を覗く方法と、この太陽投影板を使用する方法がありますが、前者の場合は直接望遠鏡を覗いてしまうため、太陽から出る強烈な光線の影響を受けざるを得ません。 それがサングラスの場合は、熱で割れて失明の危険がありますし、粗悪な減光フィルターの場合は赤外線で網膜を焼いてしまう危険性があります。 一方、太陽投影板は太陽からの光を、鏡筒に取り付けたアームから伸びる白い板に投影し、その像を観察するので全く危険はありません。 そのうえ、大勢の人間が一度に太陽の像を見ることができるので、太陽観測会などではこちらの方が良いでしょう
対物フードなどに装着することで、光の回折をある程度減じて劣悪なシーイングを抑える働きをするアイテムです。この装置は望遠鏡の主鏡や対物レンズの周辺部から入射する光を徐々に減じるため、網が30°ずつずれて同心円状に配置されており、この網戸が目の粗い回折格子の役割を果たすのです。 屈折望遠鏡に用いるものはスクリーンの直径が対物レンズの直径に対してそれぞれ52%・76%・88%のものが一般的で、反射望遠鏡など中央遮蔽のある望遠鏡ではそれぞれ55%・78%・90%にしているものが一般的です。このアポダイジングスクリーンは、惑星観測者の間で口コミで広がり、シーイングを向上させるアクセサリとして知る人ぞ知るアイテムです。 無論、日本では市販されていないので、各自網戸の網と段ボールを利用して自作する必要があるのですが、工作としては実に簡単なものなので、一度挑戦すると良いでしょう。 |
