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双眼鏡─と言うと、望遠鏡に比べると初心者むきでお手軽な機材だと思われがちですが、
実は望遠鏡とは用途が違うだけで、十分天体観測に使えるのです。

また、双眼鏡は天体観測に使う以外にも観劇やスポーツ観戦
野鳥観察や更衣室観察など様々な用途に使えるものです。
天体観測にしなくともひとつは持っていたほうがよいでしょう。

1:双眼鏡と望遠鏡の違い

双眼鏡と望遠鏡とはどう違うのかということですが、

まず望遠鏡は片目で対象を見ますが双眼鏡では両目で対象を見ますね。これが一番の違いです。
両目で対象を見ると立体感があるように見えるのです。

また、望遠鏡は遠くにあるものを強く拡大して見ます。一方双眼鏡は遠くにあるものを広く見渡します。この違いがあるので、ベテラン天文ファンは見たい対象によって双眼鏡と望遠鏡をうまく使い分けています。

例えば土星の環を見るときには、遠くのものを拡大するのが得意な望遠鏡を使いますが、空に広く尾をたなびかせる彗星や天の川を見る時などは広い範囲が見渡せた方が良いので双眼鏡を使います。

要するに双眼鏡と望遠鏡の違いをしっかり理解し、
それぞれの特性にあった使い方をすることが大事なのです。



2:どんな双眼鏡を使うか
〜スペックの見方〜

さて、実際に双眼鏡を使い始める前に各部の名称と性能について解説しましょう。
さて、双眼鏡には○×○という形で数字が表示されています。これが双眼鏡のキモですのでしっかりと読み方を覚えて下さい。

各部名称

図1:各部名称

この図1では10×50になっていますが、この場合は倍率が10倍・口径50ミリ
という意味です。

さて、ここで出てきた倍率・口径というのは何でしょうか?

倍率・・・拡大率のことです。
     例えば倍率が10倍だったら、対象との距離が10分の1になった所から見ているのと
     同じ大きさで見えます。

口径・・・対物レンズの直径のことです。
     これが大きいほどたくさんの光を集められて暗い星まで見えるようになります。
     天体観測用には40〜50ミリ程度が最適とされています。

世の中には双眼鏡と名のつくものが数多く売られており、どれでも星を見ることはできるのですが、やはり快適に天体観測を行うためにはある程度の「口径」と「倍率」を有したものを選ばなければなりません。

まず、口径は3cm以上のものが良いでしょう。あまり口径が小さいと天体からの光を十分に集めることができません。世界で最初に望遠鏡を使って天体観測をしたガリレオ・ガリレイも口径3cmの望遠鏡を使っていました。口径は基本的に大きければ大きいほど良いのですが、5cmを超えるものでは価格も高価になりますし、重量も大きくなるので、手に持っての使用は難しくなります。手持ちで気軽に使うためには5cmぐらいの口径まででしょう。

次に倍率ですが、大きければ良いというものではありません。双眼鏡は遠くにあるものを広く見渡すための道具なので、倍率が大きすぎると非常に狭い範囲しか見えなくなります。また、視野も暗くなりますので天体を見るのは難しくなります。
加えて、手持ちで双眼鏡を使う場合は倍率が大きくなるに従って「手ブレ」の影響も無視できなくなります。手持ちで双眼鏡を使う場合の倍率は10倍が限度だと言われています。

また、同じように××°と角度が書かれていると思います。

この角度は「実視界」を表しています。

実視界とは双眼鏡をのぞいたときに、見えている視野の広がりを角度で表したものです。

この実視界に倍率をかけたものを「見かけ視界」と言います。
見かけ視界はなるべく広い方が良いとされています。
双眼鏡を選ぶなら見かけ視界50度以上のものを選ぶと良いでしょう。

なお、見かけ視界は通常本体に記載されていませんので実視界から計算によって求めることになります。
各倍率で見かけ視界50度以上となる実視界の値は

5倍→10°
6倍→8.3°
7倍→7.1°
8倍→6.3°
10倍→5°

です。実視界が各倍率でこれ以下のものは選択しないようにした方が無難でしょう。


以上のことから天体観測に使う双眼鏡は、
倍率10倍以下で、口径3〜5cm、見かけ視界50°以上のものをお勧めします。
ちなみに、これは手持ちで使う場合なので、三脚等に据え付けて使う場合には当てはまりません。



3:使い方と各部の調節

さて、実際に双眼鏡を使ってみようと言うわけですが、双眼鏡は覗く前にいくつか調整することがあります。


1: 双眼鏡を覗いて視野の円が重なるように幅を調節する。

2:明るい星を見ながら、真ん中に付いているピント調整リングを回して
  ピントを合わせる。このとき視度調整リングがついているほうの目は閉じておく。

3:次に反対側の目を閉じながら視度調整リングを回してピントを合わせる。


これで双眼鏡を使う準備は終わりました。

では実際に双眼鏡を使うわけですが、双眼鏡で星を見ていると星がグラグラとブレてなかなか安定して見ることができないことがあります。

これは双眼鏡を手で持つ以上仕方のないことなので、この手ブレをいかに少なくするかに気を配って星を見て下さい。具体的には、何か大きい固定物─例えば電柱や自動車など─に寄り掛かってみたりするのも効果的ですし、いっそのこと地面にマットを敷いて仰向けになってしまうのも良いでしょう。

手ブレを少なくするだけで星空はより美しく見えて来るはずです。
また、手持ちでは完全に無くすことはできない手ブレですが、最も簡単に無くす方法としてカメラの三脚に固定するという方法があります。図2

ビノホルダー

図2:ビノホルダー


これは専用の「ビノホルダー」というアダプターを用いてカメラ用の三脚に固定します。

ビノホルダーは望遠鏡ショップや大きなカメラ屋にあります。無ければ望遠鏡メーカーから取り寄せることも可能です。三脚に固定することで手ブレは完全に無くなり、美しい星空を見ることができます。ですが、三脚を持ち運ぶ手間もありますし、天頂付近では見にくくなると言う欠点もありますのでいつでも三脚の使用をすすめるわけではありません。

最近では三脚を使わずに、内蔵モーターによって手ブレを無くしてしまう夢のような双眼鏡もいくつか出ており、Canon・Nikon・FUJINON などから発売されています。

手ブレ防止機能付き双眼鏡(Canon)

写真1:手ブレ防止機能付き双眼鏡(Canon)

ただし、高額なものが多いのでなかなか購入できるものではありません。
宝くじが当たったら買ってみましょう。




4:何が見える?

双眼鏡では主に
月

木星とガリレオ衛星
木星とガリレオ衛星
アンドロメダ大星雲
アンドロメダ大星雲
二重星団NGC869&884
二重星団NGC869&884
彗星
彗星
すばる
すばる
二重星アルビレオ
二重星アルビレオ

などが見えます。挑戦してみましょう。


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