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| ★ガイド撮影の意義★ 固定撮影(図2)は天体写真の第一歩として、とても手軽にできる。 しかし、固定撮影では、星を点として写すのは難しい。 というのも、地球の自転によって、どうしても星は動いて写ってしまうからだ。 星を点として写すには、二つの方法がある。 一つは高感度フイルムと広角レンズを使って、星が線になる前に写し終えてしまう方法がある。 これは、固定撮影で星を点に写す常套手段だが、画質がどうしても荒くなってしまうのと、露出時間の限界が低いという欠点がある。 もう一つの方法は、地球の自転に合わせてカメラも一緒に動かすことだ。 これを一般にガイド撮影(図1)と呼んでおり、このコーナーのメインテーマだ。
●ガイド撮影に必要な機材 さて、ガイド撮影は地球の自転に合わせてカメラを動かすため、普通の三脚は使えない。 ガイド撮影には、モーターで自動的にカメラを自転速度に合わせて動かすことができる「赤道儀」が必要である。 赤道儀と言っても、望遠鏡を乗せるようなごついモノは必要無い。 一般に、ガイド撮影では「ポータブル赤道儀」と呼ばれる簡易赤道儀を使用することが多い。 ポータブル赤道儀は、普通の赤道儀を簡略化して持ち運びやすくしたもので、専らカメラを搭載して、 ガイド撮影を行うために特化した赤道儀である。残念ながら、望遠鏡を搭載することはできないが、その分価格も安価で、重量も軽量化されている。 ポータブル赤道儀は各種あるが、ここでは、当会が所有しているGPガイドパック(図3)をもとにして話を進める。
●セッティング時の注意 ポータブル赤道儀は、使用する前にセッティングが必ず必要となる。というのも、カメラを地球の自転と同じに動かして星を点に写すには、赤道儀の回転軸と、地球の自転軸(地軸)を平行に合わせなければならない(図4)。このセッティングを怠ると、星がきちんと点になって写らないので注意すること。
実際セッティングする時の基本は、どのメーカーのポータブル赤道儀でも同じである。とにかく厳密に自転軸と平行にしなければならない。適当に置いただけではだめなのである。では、その厳密なセッティングはどういう風にすれば良いか?それは北極星を用いるのである。地球の自転軸を無限に延長した先を天の北極というが、その天の北極のすぐそばに北極星はある。従って、赤道儀の回転軸(赤経軸)をこの北極星の方向に向ける。 しかし、それだけではまだ大雑把すぎる。厳密にセッティングをする場合は、赤道儀に付属している「極軸望遠鏡」という小型の望遠鏡を用いる。 極軸望遠鏡を覗くと、内部には北極星の位置を示すスケールが刻まれているのが分かるだろう(図5)。 このスケールの北極星の位置に、実際の北極星を重ねればセット完了となるわけだ。
そのためにまず、赤道儀を完全に水平にしよう。 赤道儀には水準器が付属しているので、その水準器を使って、赤い枠線の内側に気泡が来るように調節する。調節は三脚の各脚な長さを変えて行う。結構コツがいるので慣れないうちは戸惑ってしまうかもしれない。
赤道儀を水平にセットしたら、今度は高さの調節を行う。 赤道儀の回転軸を正確に天の北極へ合わせるためには、軸と地面との角度をその土地の緯度と同じにしなければならない。そのため、赤道儀側面にある目盛り(図6)を利用して緯度を大雑把に合わせておく。細かい調節は、目盛りのスケールが大きすぎるため不可能であるので、極軸望遠鏡を覗きながら行うことになる
さて、緯度も大体合わせて、水平を出したらいよいよ微調整に入る。 まずは極軸望遠鏡の「時角合わせ」を行う。 時角合わせというのは,簡単に言うと極軸望遠鏡の目盛りを正しい位置に合わせることである。 極軸望遠鏡を見ると回りに目盛りが沢山ついたダイヤルがあることに気がつくだろう。このダイヤルは観測するときの日時を表しており,「目盛り環」と呼ばれている。この目盛り環を観測いる日時に合わせて回転させると,極軸望遠鏡のスケールが正しく調節されるのである 黒地に白文字で数字が書いてある方が「時刻」 白地に黒文字で数字が書いてある方が「日付」である(図8)。
GP赤道儀の場合,時角合わせにはまず観測地の緯度をあらかじめ調べておく。 日付目盛りのさらに内側に「E20 10 0 10 20W」 と数字が打ってあるのに注目(図9)。
この数字は観測地の経度補正のために用いられるもので、東経135度を0としてある。 それより西で観測するならば、その観測地の経度から135を引いた絶対値の分だけ目盛りを「W」方向に動かす。東経135度より東で観測するならば、差の絶対値分目盛りを「E」に動かす。例えば東経139度の場所で観測をするならば、経度目盛りを4度「E」方向に動かすとよい。 経度補正が終了したら、月日と日時を設定する。まず、黒部分の目盛りを0にする。そして上についている固定ピンで黒部分を固定する。ちょうど固定ピンの真下に0がくるはずである(図10)。
次に、赤道儀についているクランプを緩めて、赤道儀の軸を動かす。クランプを緩めて軸を動かすと、白部分も同調して動くので、現在の月日と時間を合わせる。例えば、6月10日の23時に赤道儀のセッティングをしているならば、黒部分の23の目盛りのところに、白部分の6月10日を合わせればよいのである。(図11)
微調整は極軸望遠鏡を見ながら行うわけだが、ただそのまま極軸望遠鏡を覗いたのでは、暗くてスケールが分かりづらいばかりではなく、北極星が多くの星ぼしにうずもれてしまって判別が困難になる。 そのため、どの赤道儀にも視野を明るくする照明装置が付属している。極軸望遠鏡を使用する際には、必ずこの照明装置を使用しならければならない。 照明装置を使用すると、赤い光の中にスケールが浮かび上がり、北極星以外の星はその光でかき消される。そうした状態で、赤道儀の緯度調節ネジと、横方向の調節ネジを駆使してスケールのしかるべき位置に北極星を入れるのである。
●撮影時に気をつけること まず撮影時に気を付けておきたいことは、カメラを赤道儀に搭載し、シャッターを切る直前にもう一度極軸望遠鏡を覗くことである。たいていの場合、構図合わせ等で極軸セッティングが狂ってしまっている場合が多い。もちろん狂っていた場合は再度セッティングをやり直す。 細かいようだが、面倒でも当たり前の事をきちんとやって行くのが大事なのだ。 また、いくら正確にセットしても永久に追尾できるわけではない。機械である以上、誤差と言うものがどうしても出てくるからである。従って、ノータッチでガイドができる時間していうのは限られてくる。ポータブル赤道儀の場合、おおむね50mmのレンズで30分程度で、レンズの焦点距離が長くなればなる程ガイドできる時間は短くなる。 撮影を長く続けているとバッテリーの消費が気になるだろう。特に晩秋など冷え込むときはバッテリーの消耗も早い。そのときは、カメラに付けるカイロをもうひとつ余分に持って行き、バッテリーにくくり付けておくと、消耗を押さえることができる。 |
